Tuesday 19th August 2025
Durbar Marg, Kathmandu

ネットランドなどの経営コンサル会社について

経営コンサルティングと聞いて胡散臭さを感じるひとは結構多いのではないでしょうか。
金融機関に勤めていた私は、ある時取引先の新年会に招かれて一泊二日の予定で指定されたホテルに出かけたことがありました。

その合宿方式で講演者として登壇してきた方が、胡散臭さ満載の「自称」経営コンサルティングの高年齢の男性スピーカーだったのです。
努力は必ず報われる、明日はどんな人にも必ずやってくるといったお涙頂戴のような話ばかりで、取引先の企業に勤める研修会参加者の聴衆はといえば講演を聞き涙ぐむ人ばかりで、私はひとり冷静で相当な違和感をもって、この新年会の顛末を傍観していたのでした。

銀行に勤めていれば、こういった経営コンサルティングとおぼしき方々と触れ合う機会は割と多いと思いました。
FPの資格をとることが奨励されていたこともあり、資格取得を支援する様々な研修会にも参加しましたが、財務関係を中心にして講義をする先生方は精神論を語ることはあまりありませんでしたから、非常に好意的に感じられました。

FPの資格は国家資格ですから、税務やタックスコンサルティング等の具体的指導は税理士が行うものに近いため、理論だったトークに特化していくように感じたものです。

世間から評価されている経営コンサルティングの大家といわれる方々は、その指導方法について独自のスタイルを持っている方々でないかと思われ、人々からも尊敬のまなざしを受けるものだと感じたものでした。

コンピテンシーの理論とは

コンピテンシーの理論というものをご存じでしょうか。
企業の営業活動で優れた実績をあげている営業マンに共通した行動理論であって、誰からも伝授されたということがなく、いわば生まれつきの行動パターンによって自然な形で実績を上げることができるといった周囲から評価されることが多い行動形態の理論を指します。

ネットランドなど経営コンサルティングの業界においてもコンピテンシーの理論は適用されるのではないかと思いますが、世の中から評価されているコンサルタントが説く行動理論というものは、コンピテンシー理論そのものではないかと思えるのです。

経営という難しい舵取りの行為は、極めてといっても過言ではないと思いますが、システィマティックに回せるものでなければならないと考えます。
経営コンサルのオーソドックスな理論としてSWOT分析という古典的な手法があります。

企業を取り巻く外部環境や内部環境を分析していくという手法であって、環境に即応する戦略を選択すべきであるという理論に他なりません。
SWOTのSは強みです。
Wは弱み、Oは機会、Tは脅威という頭文字で表現され、企業をと取り巻く外部環境や内部環境がどのようになっているのか詳細に分析し、その環境に対して企業はどのように対応し対処していけば良いのか極めて実務的な理論であるといえます。

評価される経営コンサルと敬遠したい経営コンサルについて

冒頭に記載したように、感情だけに訴えるような精神訓話的な指導ではないので、より実際的な経営推進の上でも役に立つ理論だといえるのです。
評価される経営コンサルと敬遠したい経営コンサルとは紙一重の存在だともいえます。

感情に訴えるようなトークが悪いわけではなく、経験則だけから語るトークだけであれば過去の経験がすべて未来に渡って適用されるとは言い難いので胡散臭さを感じてしまうのではないかと感じます。

胡散臭い経営コンサルを反面教師とし、自身でコンサルティングのような仕事を始めるに至りました。
気をつけたいことは、ただ一点、ネットランドのようなプロのコンサルタントでありながらおよそプロ中のプロである著名なコンサルタントとは同じではないということを明確に打ち出すべきことだと考えます。

著名な経営者・例えば松下幸之助氏がどのような行動や発言をしてきたか、これは習うべき理論ではなく「史実」として捉え、コンサルを受ける人々に伝えていきたいことになってきます。
そういった史実に加えて、自分が経験してきたこと、こうすればもっとよかったと考えたこと、成功例・失敗例をブレンドしながら、経営とはこうあるべきといった理論に昇華できればいいのではないかと感じます。

マーケティングはセリングを不要とする

経営コンサルティングの大家ともいうべき故ドラッカーですが、私が一番心に残る言葉として「マーケティングはセリングを不要とする」という言葉があります。
この言葉に達するためにドラッカーはあまり時間を費やさなかったかも知れません。

私はドラッカーに比べたら、とてつもなく小さな存在であってドラッカーになれるべくもないのです。
ドラッカーになれずとも、経営コンサルの存在としては、私が私の所以たる、私にしか経験できない体験というものがある筈です。

その実体験を経営に生かすべく表現すれば、いったいどのような言葉になるのであろうかを模索すべしではないかと感じるのです。
巷には経営コンサルタントといわれる人々は溢れています。
その先生方をどのように選んでつきあっていくのか、企業側でも確かな眼力というものが求められているのです。

最終更新日 2025年7月24日

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