「雛人形の保管方法を知りたい」
「雛人形を長持ちさせる方法を知りたい」
「雛人形の防虫対策について教えてほしい」
3月3日の桃の節句に向けてお雛様を飾るご家庭は多いですが、毎年飾る大切なお人形だからこそひな祭りが終わった後に、正しいお手入れをしてきちんと保管することが大切です。
次の年も綺麗な状態で飾るためにも、どのような対策をしておけば雛人形を長持ちさせることができるのでしょうか。
そんな疑問に応えるために人形をしまう際にやってはいけない保管方法を正しく見極め、適切に保管する方法を学ぶようにしましょう。
目次
湿気
まず雛人形を長持ちさせるために特に気をつけるポイントの1つが、「湿気」です。
お雛様は湿気に弱い特徴があり、湿気の残る状態でしまってしまうと人形自体や衣装にシミがついてしまったり、カビが生えてしまう原因につながります。
そのため保管場所には湿気がたまりやすくなるお風呂場やキッチン、トイレといった水回り付近に収納することは厳禁です。
また水回り以外でも窓の近くなど結露が発生しやすい場所も湿気が溜まりやすいため、避けることが大切です。
一般的なご家庭ならば押入れやクローゼットに収納されることが多いですが、保管時には直接床に置くのではなく一段上に収納するか、下にすのこを敷いて通気をよくする空間を作ることを意識するようにしましょう。
乾燥しすぎによってもダメージを受けやすい
人形が湿気に弱いならば、乾燥しやすい場所に保管すればいいと考える方もいますが、お雛様は乾燥しすぎによってもダメージを受けやすい非常にデリケートなお人形です。
乾燥しやすい場所ではお人形の顔や飾り台に屏風の塗りにヒビが入る原因につながるので、極端に乾燥している場所は避けて保管することも大切です。
直射日光の当たりやすい場所も保管には適しておらず、せっかくのお人形が色褪せたり変色をしてしまうおそれがあります。
特に夏場は室内が高温になりやすいため、衣装が縮んで変形したりお飾りの塗装や糊が溶けてしまう可能性があるので、日当たりの良い場所も保管場所として選ばないことが基本となります。
防虫対策
雛人形を傷めてしまう原因は湿気や乾燥、日光の他に虫も大きな原因となります。
防虫対策の1つとして密閉性に優れているプラスチックやビニール袋に入れて保管すればいいのではと考える方も多いですが、プラスチック・ビニールは防虫効果が高い反面、通気性が悪くなるためシミや黄ばみが起こりやすくなるので、基本的に購入した時に入っていた箱に戻すことが原則であり、人形用の防虫剤を毎年入れ替えるなどすることで人形を傷める虫対策が行えます。
片付ける際にお手入れのひと手間をかける
そして雛人形を長持ちさせるためには、片付ける際にお手入れのひと手間をかけることです。
一般的にひな祭りの時期まで約1~2ヶ月ほど自宅にお雛様を飾っているというご家庭は多く、どんなに室内を綺麗に掃除していても人形には埃など汚れが付着している可能性が高いです。
そのため箱に戻す前には必ずお人形や飾りなど一式全ての埃を丁寧に落とす作業を行うようにしましょう。
直接お人形等を扱うときには、直接触れてしまうと手の汚れや皮脂がお人形についてしまうため、布の手袋を着用することがおすすめです。
埃は毛ハタキを使用して丁寧に落とす
埃は毛ハタキを使用して丁寧に落とすことで、ダニの発生を防ぐことができます。
この時丁寧に作業を行うことによって埃などの汚れ以外にも、人間の目には見えない小さな虫の卵も一緒に落とすことができるので、面倒くさがらずにそっと優しくお手入れをしましょう。
この時使用した毛ハタキはお雛様と一緒に保管せずに、一度埃をよく落としてから別の場所にしまっておきます。
またお人形からダニを防ぐためにも、雛人形専用の防虫剤を準備して一緒に箱に入れておきます。
ただし異なる種類の防虫剤を併用してしまうと、プラスチックに反応して溶けたり油性のシミが付着する可能性があります。
前の年の防虫剤が反応してしまうケースも多いので、新しく防虫剤を用意する場合には去年どの種類のものを使用していたのか必ず記載しておき、毎年同じ種類の防虫剤を使用するとトラブルの心配がありません。
雛人形専用の収納桐箱を用意する
もしデリケートなお人形に負担となる防虫剤を使用したくないという場合には、雛人形専用の収納桐箱を用意する方法もあります。
桐は木材の中でも軽量であり、湿気に強く虫を寄せ付けない成分が含まれているのでお雛様を保管するに適しています。
お人形をお手入れしてから収納桐箱に入れ、湿気の多い場所や風通しの悪い場所を避けて保管するようにしましょう。
お雛様を片付けるタイミング
お雛様を片付けるタイミングとしては、3月4日以降の晴れた日を選択しましょう。
3月3日を過ぎてからお雛様を長々と飾り続けると婚期が遅れるという話に焦って、湿気の多い雨の日にしまってしまうとお人形を傷めてしまう原因につながります。
この話はあくまでも迷信であり、お雛様を長持ちさせるためには必ずしも早く片付けようとせずに天気を見て適切なタイミングで片付けを行うことをおすすめします。
またお人形のコンディションを考えるなら、ひな祭りが終わってから半年後の9~10月ごろを目安として、一度箱から出し虫干しを行うのも効果的です。
まとめ
こうすることで箱の中に湿気がたまるのを防ぎ、お人形が長持ちし綺麗な状態を保つことができます。
最終更新日 2025年7月24日